おれのモテ塾 りょうた塾長とは

ありがとう一万回編その3 10000の感謝を全てに。

小さな小さな無数の暖かさ。
少しずつ少しずつ探していく。
その先には何があるのだろうか?

「ありがとう」の道末。

見えてくるのは本当の幸【さいわい】。


とある記事からこんな話を仕入れた。

https://matome.naver.jp/m/odai/2144465526454142801

●余命3ヶ月のがんが消えた。
●切れた脊椎が繋がった。

医学的根拠は全く無い。
だけど確かにあるのは熱いしあわせ。

病気で臥せる身体。

「今日までいのちを繋いでくれてありがとう」
「いろんなことを教えてくれてありがとう」
「様々な出会いをくれてありがとう」
「この朝の光を脳に届けてくれてありがとう」
「苦しいけど、まだ生きられる。ありがとう」

私の眼に浮かぶのはこんな姿。

病気の苦しみの中から、
「今あるいのち」や「今までの経験」、「今残る小さな幸せ」。

これも、そこにある「小さな暖かさ」だろう。

探す。探す。たくさん探す。
無数の暖かさに感謝する。

その数が膨大になればなるほど見えてくるのは本当の幸【さいわい】。

「今度は数か。」

足は自然と街へ向いていた。


ステップ3
~ひたすら「ありがとう」と唱え、1日一万回を目指す。~

何回言うのにどれくらい時間がかかるのかを知りたかったので、
巴西【ブラジル】の遥かな大河からこんなものを仕入れました。

この大きなボタンを押すとカウント「1」。

小さなボタンがリセットボタン。

指に巻けます。

さあ。遥かなる海原へ抜錨です。


陽炎がゆらゆらと。
アスファルトに咲きほこるあついあつい午後。

予約していた歯医者へ向かう。
そこからカウントスタート。

道すがら。クリーニング屋に立ち寄る。

「これなんなの?笑」

白露の頃の妖艶さを含ませた声。
そんな女性店員が私に問いかける。

「万歩計です」

楓色を隠した顔で返した私はバツの悪さを感じたのだろうか?

しかし、

「いつも元気で良いですね」

女性の声は秋のうろこ空のように心地良かった。

「ありがとうございます」

良いことがあった。

その後歯医者入る。

かちゃり。かちゃり。

銀色と銀色が触れ合う耳障りな音。

するどくするどく。

響き渡るドリルが回り出す。

「ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、…」

唱え続ける。

歯の根に入れた薬は、
マタドールに立ち向かうあばれ牛のごとく怒り狂い、私の歯神経を引っ掻き回した。

そんな私も、
とどめを刺されるあばれ牛のような声をあげ、苦しんだ。

「ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、…」

そんな歯の中にいるあばれ牛を優しくさとす。

「ありがとう。ありがとう。ありがとう。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。
ありがとう。ありがとう。」

子牛に乳をあげる母牛のような気持ちで。

いつしか狂乱が去り、
誰もいなくなったコロシアム。

あばれ牛は子牛のような穏やかな顔で眠りについた。

痛みは嘘のようになくなっていた。

歯の治療は続いた。

子牛は再びあばれ牛に戻ることはなかった。

「ありがとう。ありがとう。ありがとう。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。
ありがとう。ありがとう。」

歯の治療は終わった。
心の中には静寂。
それは凪いだ海のようだった。

ありがとう!

その後特にやることのない私は数駅先の駅で買い物をしながら、

「ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、…」

唱える。

しかし、これまでの歩みの記録は簡単に消えてしまう。

玩具のようなこのカウンター。

張子の虎と言うべきか。

はっきり言ってしょぼい。

3000近くまで数えたのが80くらいにリセットされてしまう。

ということは、これで余分に感謝ができる!

ありがとう!

こんなこともありながら。

陽炎の花も枯れた夕刻。
散歩しながら帰宅。
飯と風呂を済ませた後、
涼月が輝く世界へ脚を運びます。

「ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、…」

2603回→5598回

リセットされた分を考えると既に8600回「ありがとう」。

月は確かに天上への道を照らし出していた。

一万回が見えてきた!

3000近くリセットされていたけど、
念のためあと2000回くらい「ありがとう」しました。

家に帰り座しながら。世界を感じながら。

「ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、…」

「ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、…」

そして…。


何かが変わる。
施しを讃える言葉が何かの暖かみを感じる言葉に。
その対象の何かはなんでもないものに。

「歯の痛み」は愛おしい子牛に。

病に伏せた人の話もこれに近いものだったのかもしれません。


この日はリセットがあったり、念のため多めにカウントしたので実際は一万回を大きく超えています。

だいたい昼から歯医者の時間を含めた90分、
夜の30分の散歩と家での60分。

だいたい3時間くらい集中すると一万回以上感謝できます。

この時はカウントをする手間がありましたが、
それをなくすとだいたい2時間と言うところです。

仕事の空き時間なんかを使うと効果的に感謝をすることができます。

  • この記事を書いた人

りょうた”元”塾長

「元」非モテの塾長。30年を超える非モテ人生の果てに現在の彼女と出会い、当たり前な幸福を手に入れる。自身の非モテ人生によって培われた感性で恋愛について雑多に語る文筆家。

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