非モテコラム 非モテの生態解明

出会いの場とは仮面舞踏会である。

こんにちは。
非モテHackのりょうたです。

前回は出会いの場における無個性化についてお話ししました。

前置き

出会いの場で1番大切なことは何か?

ネット上のモテ男女様は一同、口を揃えこう言う。

第一印象が1番大切です!

これについて私は異論を唱えるつもりは一切ない。
非常に正しいと思う。
たかだか長くて2時間の中で第一印象以外の点を見出せればその人はもはやニュータイプだと思う。

問題はそこではない。

この第一印象を突き詰めていくと、行き着く先は普通であること。
そして普通を目指すということは無個性に近づいてしまうことが問題なんだ。

結果として出会いの場に並ぶ男女の姿は、
植林された杉林のような一同同じ量産型人間たちだ。

人にはそれぞれ性(さが)がある

出会いの場というものは、
どう考えても女性が男性を選ぶという図式からは逃げられない。

女性は女性で見た目を最大限に磨かなければならないという課題を常に抱えるが、
男性側にも重要な課題が存在する

それはいかに自分は普通の性格の男性であるということを女性にアピールするという課題だ。

この普通という概念が非常に難しい。

男性、というより人間は誰しも個人だ。
人にはそれぞれの事情があり、尖った性質がある。繰り返すがそれぞれの事情があるので、どうしようもない性質なのだ。

こんな人々が普通を演じるにはどうするのだろうか?

普通の仮面を被る

ある人は親身な関係のため、自分に蓋をする。
今まで作ってきた自分から生まれ変わるために。
それでも生まれ変われないから演じきるしかないのだ。
またある人は、今までの人生の過程において周囲に合わせた擬態をしてきた。
本当の自分なんてなくなるくらいに、赤に黄色に緑、様々な皮を被ってきた。
それでも本当の自分の存在はなくなるものなのだろうか?

つまり、出会いの場で普通を演じるために仮面を装備しないといけないのだ。
それを、新しく被るか既に標準装備してるかの違いがあるだけ。
自分というものを普通へ変身させるための仮面だ。

よくある出会いのアドバイス。

個性を出すのは親密になってから!

というのはつまりこういう意味だ。

これはさらに言い換えると、ある程度な親密になるまではお互い気持ちいいだけの付き合いをしようということだ。

より親身な関係に必須なのは悪い面を許し合うこと

友人関係にせよ夫婦関係にせよ、いわゆる長い付き合いに必ず必要な点がある。

いかに自分と相手の悪い面と付き合って行くかだ。

眼をつぶるのも、そこだけ無視するのも人それぞれだが、
気持ちいいだけの付き合いなんてどこかに終わりがあるのは疑いようはない。


私の長い付き合いの友人の話だが、
私の性質として理屈っぽかったりして相手からすると疲れさせる面がある
だが、そんな私と10年来の付き合いができるのは、私の理屈そのものが役に立つ面があるのと、適度に放置しているからだ。
私も、彼らは面倒になったら勝手に放置して楽しんでくれるという安心感を持ってめんどくさくいられる。

深い友人関係も親身な関係の1つなので、同じことは恋愛の関係でも言えるはずだ。

実際に夫婦なんてものはお互いの嫌なところにうまく対応した結果だと言えるからだ。

変身!

気持ちいいだけの付き合いは盲目だ。

お互い気持ちいいだけの彼、彼女という幻想に変身し続ける

ある日彼の粗暴な面を見たとしよう。

貴女はどう思うか?

幻滅してしまうのは想像に難くない。
この粗暴というものは、平時ならば粗暴とも言えないことかもしれない。
たまたま機嫌が悪く、少し無愛想な態度を店の店員にしてしまっただけかもしれない。

しかし気持ちいいだけのフィルターを通して見ると、彼は暴言を吐いているように見える

アイドルは恋愛しないと本気で思い込む男性がいるように、
普段の煌びやかな変身姿からふと漏れた人間らしさは容易に幻滅を呼んでしまう。

このようなカップルはお互いの弱さを笑顔の仮面に隠しながら気持ち良さを享受するのだ。

まるで番組の後半部分でのみ変身が許される特撮ヒーローのようだ。
ただし仮面の下にいるのは煌びやかさなど無いただの人間だ。

このようなカップルを私は仮面カップルと呼びたい。

仮面カップルの弊害

仮面カップルを続け、ある日相手に幻滅して別れたとしよう。

次の恋愛を見つけに出会いに行こう!
あなたはどんな行動を取るか?

答えは簡単。
相手に幻滅するような面があると嫌だから、血眼になって変な面を摘んでいくのだ。

ハインリッヒの法則というものをご存知だろうか?

1つの重大事故の裏には、29の軽微な事故がある。
29の軽微な事故の裏には、300のヒヤリハットがある。

これは主に建設業や製造業で重大事故をなくすために、
小さなヒヤリとしたような事故の芽を摘もうという考え方だ。

出会いの場で重大事故にあった男女も、
2度として事故にあわないよう、少し変な面というヒヤリハットを摘むようになる。

結果として
特に女性は普通な人に眼を向けるようになる。

しかし、
皆一同普通な人を1人選ぶことはさらに困難になる。

なぜなら特徴は無いからだ。
男性はさらに仮面を被って普通を目指す。

無個性化が渦潮のように加速する。

当然これはさらに仮面カップルを急速化する。

仮面カップルは仮面カップルを呼ぶのだ。

これが出会いの場だ。

まとめ

①普通を目指すためにすること=仮面を被ること。
→だが、自分というものは無くせない。
②深い関係に必要なのは悪い面を許し合うこと。
→夫婦関係や友人関係には必須なのに、なぜか恋愛でだけは煙たがれる。
③気持ちいいだけの関係は仮面カップルになる。
→カッコいいヒーローの真の姿はただの人間でした。ヒーローを崇拝するあなたは幻滅してしまいます。
④幻滅して別れると、さらに細かく悪い面を探すようになる。
→結果として仮面カップル化のスパイラルが止まらなくなる。

いかがでしたでしょうか。

  • この記事を書いた人

りょうた”元”塾長

「元」非モテの塾長。30年を超える非モテ人生の果てに現在の彼女と出会い、当たり前な幸福を手に入れる。自身の非モテ人生によって培われた感性で恋愛について雑多に語る文筆家。

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