非モテの生態解明

長文LINE

長かった。本当に長かった。

僕たちが待ち望んだ瞬間。

その扉はまさに僕の目の前に開いていた。

この日までいくつの若葉を見てきたのだろうか?

「みんなを笑わせるってすごい!」

若草を思わせる。
カラリとした声が僕の耳に届いた。

思えば長かった。
彼が僕の相談に乗ったのはいつだっただろうか。

「女なんて異次元の存在だ!」
青い僕のたわ言を呆れながら聞いていた彼。

そんな愚か者が数年後に、
「彼女が欲しい!でも女の子との話し方がわからない。
だから心の専門家であるお前に相談がある!」

このように手のひらを返す僕に、心から協力してくれた彼。

僕が彼のアドバイスを受け、試行錯誤を始めてから。
果たしていくつの四季がめぐったのだろうか。

長い長い年月。

象徴による恋愛エピソード1 ~若葉の日に

非モテの象徴です!

挨拶が遅れまして申し訳ございません!

今回なんですが、秘密のお話しです。

ここだけの話なんですが、

俺、彼女とか一人も出来たことないんです。

知ってる人のいるかもしれませんね(笑)

そんな俺でも、女性との思い出はあります。

ちょっと恥ずかしいので秘密のお話しとさせてもらいますが、
今回はとある5月に起きた嬉し恥ずかしなエピソードを発表いたします!

時には無償の献身が喜びを生むことがある

「どうやら笑ってくれたらしい。」

顔に似合わずハスキーな声がチャーミング。
そんな彼女はからからと笑う。

コミュニケーションに難を持つ僕。
言うまでもなく女性との会話は苦手だ。

「本当にりょうたは察せねぇなぁ(笑)」

僕に恋愛のいろはを教えてくれた彼。
目に浮かぶのは呆れ笑い。
僕と彼の日常はこんなもの。

「どうせ、難しいコミュニケーションはできないんだから、もっと自分を捨てて笑ってもらえよ!」

自分と同じようにはできない。
目の前のこの大男には。
だから彼は僕なりに、受け入れられるやり方を考案してくれた。
こんな毎日が繰り替えされた。

彼女の心を開いたのは「笑い」だった。
僕は僕なりに笑いを取りに行ったから。

時には恥ずかしい思いをして。
時には痛い思いをして。

そんな姿勢に思うところがあったのかもしれない。

「りょうたさんはすごいよ。みんな初対面の中なのにみんなを笑わせられる。」

「みんなを笑わせるってすごい!」

「わたしなんて全然ダメだよ......。」

彼女は僕の奮闘を賛美し、内なる悩みを吐露したのだった。

長く長く待ち望んだ一歩


長かった......。

俺が、カウンセラーである友人に恋愛相談を持ち掛けて、恋愛の第一歩を踏み出してから、
第一歩を踏みしめたこの瞬間までがおよそ3年間。
8,000円払って拍手をしに行った婚活パーティー。
ナンパをすれば連絡先を保存し忘れる。
ラインを交換すれば、次の日には連絡が途切れる。

非モテである俺にとっては、恋愛は第一歩から果てしなく遠い道のりだった。
あくる日も友人と相談し、「ああでもない、こうでもない」

正攻法で人を楽しませようとはできないし、
元来いじられキャラのくせに、いじりにくい。
笑いをとったとしても、いつも笑ってもらうだけ。

だから、

女の子が僕に何気ない悩みを打ち明ける。

恋愛の第一歩を踏み始めてからここまでくる道のりは、本当に長かった。

長い月日が導きだしたもの

「ほんと長かったな......。」

電話越しから伝わる慰労の声。
長年待った気持ちは彼もいっしょだった。

女の子が僕の目の前で内面を吐露すること。
弱みを見せること。
それは初めてのことだった。

「ついにここまで来たよ。」

僕にとって恋の道は、常にイバラやつる草が足元を覆い、広葉樹が視界を塞ぐ。
こんな道だった。

恋愛の密林は長い時を経て、やっと僕に一筋の光を見せてくれた。

「あとはもうわかってるな」
彼は安堵の声とともにやさしく囁く。

にやり。

僕は電話越しにも伝わろう笑みを彼に返す。

 

 

 

僕は返す。
初めての場所での振る舞いに敬意を持ち、心を開いてくれた彼女へのラインを。

 

 

 

 

 

 

瞬きのようなその時間

非モテの月日、文章にすら現れる。
モテない僕でもこんなラインは引いちゃうわ。
これでも短くしようとしたんだよなぁ。
(そういう問題では......。)

長い長い非モテ年月が編み出したのは、画面いっぱいの長文ライン。
送った瞬間我に返りました。


送った次の日にはラインは返って来なくなる、2日目の壁エンドを華麗に決めてゲームセット!

この日から二度と同じ過ちを繰り返さないように、女性とのラインのトークルームにはこの画面を背景にしています。

はい。読みづらいですね。

このエピソードですが、確かに失敗してしまいました。
ですが、非モテなりにみんなを楽しませようという姿勢が大切だと言うことを気づかされたエピソードとなりました。

別にウケる必要もさほどないし、むしろ滑ると思います。
とにかく滑りますし、大半の女性はこの手のキャラはスルーされます。

ですが、忘れてはいけないのが、あくまで皆を楽しませようという気持ちです。

これだけやっているんだから、だれか振り向いて!


「↑こんな腐った根性ではダメ!」

とにかく皆、相手のために楽しませようと献身する姿勢を持ち続ければ、良い娘は気づいてくれます。

 

 

まあ、俺は「よく思われたい!」から、長文のラインでお悩み解決しようとしちゃったんだけどな!


終わり!

  • この記事を書いた人

りょうた”元”塾長

「元」非モテの塾長。30年を超える非モテ人生の果てに現在の彼女と出会い、当たり前な幸福を手に入れる。自身の非モテ人生によって培われた感性で恋愛について雑多に語る文筆家。

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