
ここだけの話だが、実は俺。
32年間も彼女がいない。
生粋の非モテなのだ。
そんな非モテが悩みに悩み続けると出てくる議論。
それがこれ。

非モテの象徴たる俺は、もちろんナンパだってやってる。
しかもソロ!
目次
でかい不安に、小さな希望
~きっと誰もが持っている。ナンパを始める時は。
ここは新宿南口。
99.999%の不安とわずかながらの期待を胸に抱いた僕はこの地に立った。
見渡す限りの雑踏。
幾千の人々は意思を持たぬ影のようにあたりをうろつき続ける。
眠らない街。
今日は真昼間。
「10か20か」
巨大な摩天楼を臨む。
そんな小さな目標を掲げて立つ僕の目標。
ナンパだ。
ナンパは貧者の最後の剣である。
→メール1人につき10,000円!?コンパに行けば、メールは次の日には返信がなくなる。
→2日目の壁かよ!
プロの非モテはとにかくお金がかかる。
女性一人と話す為に、彼らはなかなか笑える額のお金を払っている。
そんな我々が取りに行く究極の手段がナンパである。
ただし、お金がかからないというのは一種の言い訳なのだとも思う。
できれば読者の皆さんもナンパ学について調べてほしい。
私はナンパ学と書いたが、ナンパというものは現在非常にアカデミックに体系化されている。
おかげで物凄く定量化しやすい。
非モテという恋愛の最貧者にとってほんの小さな自信ですらも心の拠り所になる。
ナンパ学が明らかにしたナンパのステップを一つづつたどることで、自分はモテる階段を昇っている!自分は非モテでは無い!と非モテを忘れられる。
無心。無心で。。。
そうして僕は新宿の街並みの中でナンパという大海へ漕ぎ出すことになった。
すでに声掛けという行動は何回かやったことがある。
ナンパをしようとしてもまずそこから躓くとよく言われる。
僕は以前までの経験から得たものがある。
ひたすらひたすら無心になることである。
だからこそ、『つまらない対応』はできない。
もちろん相手の反応も予想できない。
そんな心配が声掛けを止めてしまう。
だから、ひたすら無心になった。
話しかける相手は全員鉄くずと思え!
ひたすらロボットのように声掛けをする僕は、僕こそが鉄くずなのだったのかもしれない。
ひたすら声掛けをする鉄くずのような僕
ナンパにかかわる罪悪感はロボットになることによって解決した。
繰り返すようだがナンパというものはとても定量的だ。
声掛けを何人するという小さな目標を達成することで、非モテを一歩抜け出せた気分にさせてくれる。
ナンパで声を掛けてシカトされる→一歩前進
この謎の達成感が、自分の非モテという現実を忘れさせてくれる。

何が大丈夫なのかわからないが、そこにはモテるわけでもなく非モテから目をそらす鉄くずが居た。
むしろシカトされるのが快感なのかもしれなかった。
これは決して特殊性癖の話ではなく、シカトされながらも課題をこなしていく自分が心地良かった。
きっと今日も無事に20人ほどにシカトされて平和に終わるのではないか。
そんな気持ちで声掛けを行う僕。
この謎の自信は意外とすぐに終わることになった。
とても暖かな女性。僕の第一歩は確かに踏み出された。
「病気で入院している母のお見舞いで東京に来てて、マルイでタイガーナッツを買おうと思っていたんです。」
僕の声掛けで止まってくれた女性。
木立のようにすらっとした長身と長い髪。
足元のロングブーツからピシッとしたライダースジャケットは、この街の夜景を想像させる。
総じてきつめな印象を与える彼女だが、
開口一番。
僕の予想を大きく裏切ったのはとても暖かな一言だった。
ここは新宿南口。
マルイのある新宿三丁目とは少し方向が違う。
地図をもって悩ましそうにしている姿も微笑ましい。
「マルイは反対方向なんで案内しますよ!」

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僕のナンパ。
初めて第一歩を踏み出した。
道案内という名目
非モテというモノは自分に自信がない。
だからナンパみたいに体系化されたやり方を目にすると極端にやりこむことはよくあります。
それはモテるというわかりやすい目標に対して邁進していることが、今の非モテ性に目をつぶることができるからです。
果たしてこれが本当に“恋愛”なのでしょうか。
ここまで読んでくれてありがとう!
後半に続きます!