レディース&ジェントル非モテ!
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それを発表したいと思う。
告白をされるかもしれない女は入れる 気合を
今日だけは、今日だけは終わらせたい
とあるオフィスで、とある女は一人思う。
今日はなんと言ってもデートなのだ。
3回目の。
されるかもしれないのだ、告白を。
いつもまとった藍色の空気が心なしか桃色に染まっている。
そう、男勝りの女だが今日はいつになく乙女気分なのだ。
だが、そんな女の心は真っ青に染まってしまう。
積み重なったタスク。
今日は大事な大事な商談。
「なんとしても、なんとしても。
この商談をズバッと決めてあと腐れなく定時ダッシュを決めないといけないのだ!」
時は正午
気合を入れたい。
そんな彼女に手招きをする存在があった。
ニラだ。
刺激的な、世界の中心の花を連想させるその存在はいつだって彼女を導いてきた。
だから彼女は向かう。中華料理屋に。
30分後、そこには気合のこもった表情で店を後にする彼女がいた。
奇麗な恋も奇麗に冷める
この前よりも紅潮した頬。
いつもより念入りに、時間をかけたのだろう。
この僅かにきらびやかな衣装は、きっと偶にしか着ないものを見繕ってきたのであろう。
待ち合わせ場所に来た彼女をみて感じた素直な感想だ。
はっきり言ってタイプだ。
しっかりとした物言いに、長年の友人を思わせる距離感。
男勝りともいえるしサバサバしているともいえる。
そんな、五月の空のような彼女の性格に彼は惚れている。
今日もそんな彼女はカラカラと笑う。
男を魅了するさわやかな笑顔。
その口元に、あってはならないものが覗かせる。
気になった男は注視する...。
彼の春のような恋は、雪国のそれのごとく過ぎ去った。
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