非モテHack辞典
非モテのまま誰かと親密な関係を築くこと
解説
上記の通り、非モテのまま親密な関係を築くということ。
〈非モテ+モテる〉の複合語であり、非モテの動詞形ではないことに注意。
考察
「ありのまま」と現実
2014年3月、アメリカで大ヒットを記録した映画「アナと雪の女王」が公開され日本でもロングヒットとなった。
「アナ雪現象」といった言葉が出来てしまうほどの社会的影響力を持ち、日本中の老若男女が「ありの~ままの~」と歌ってしまうほどであった。
それにしても「ありのまま」とは恐ろしい言葉である。
おそらくこの歌を鵜呑みにして、多大な傷を負ってしまった非モテは数多くいるだろう。
穢れなき無垢な非モテ達は、「ありのまま」というフレーズが耳を通るたびに「こんな自分のこと好きになってくれる人だって、きっといるんだ」と希望を抱いたに違いない。
しかし、現実はモテない。
「ありのまま」でモテるほど、現代社会は優しくない。
本当に「ありのまま」がモテるのであれば、2014年のハロウィンは裸の男女が渋谷に溢れていただろう。
けど、上半身ありのままスタイルの江頭2:50は、抱かれたくない男ランキングの常連であり、それが現実なのである。
そもそも、「ありのあまま」を基本スタイルにしないところに人類のアイデンティティがあるのではないだろうか(動物行動学者のデズモンド・モリスは人類が他の類人猿と比べ毛が少ない特徴を有するという点を指摘し『裸のサル』と表現していたことを考慮すると、人類こそ「ありのまま」なのかもしれないが)。
「ありのまま」は誤訳?
しかし、「アナと雪の女王」について調べていると、英語版と日本語版が翻訳によってストーリーが異なり、本来は「ありのまま」ではいけないというニュアンスのストーリであるといった見方もある(参考:オーサー一覧 日本版『アナと雪の女王』現象とは何だったのか―英語版とまったく違う物語の秘密)。
「Let it go」が「ありのまま」と翻訳されたことについても、賛否が分かれ数多くの見解があふれている。
しかし、非モテハックとしてはそれら見解の是非はどちらでもいい。
大事なことは、「ありのまま」とは程遠い日本社会で「ありのまま」が共感されたことだ。
「モテ論」の弊害?
疲れている人が多いのではないだろうか?
友達を作るため。
恋人を作るため。
【非モテ】でも述べたように、誰かと繋がり、維持するためには、理想的とされる「テクニック」と「内面」が要求される。
そうした「理想」があるため、「ありのまま」になんかなれない。
着飾って、偽って、人間関係の中に溶け込むことが、現代社会に必須なサバイバル術。
「ありのまま」は現実とほど遠い幻想だからこそ、共感を得たのかもしれない。
さあ、非モテよう
「アナ雪現象」は幻想に終わったが、非モテハックは終わらない。
「裸になろう」とは言わないが、理想的な「テクニック」や「内面」などいらない。
戴冠式を飛び出して氷の城を築き上げたエルサのように、非モテが非モテる文化を作ろうではないか。