
真っ直ぐ立ち上がるのはあと少し。
目次
非モテにとって、スパイの会合みたいなもの。それが初デート。
いつでも緊張する時間ですよね。
始めた会う人とのデート集合の5分前。

その姿はまるで敵陣に潜り込んだスパイみたい。
ですがそれは仕方がありません。
非モテにとってデートの待ち合わせなんて非常事態。
何が起こるかなんて全くわからない、スリル&サスペンスなそんな時間。
今回は初デートの待ち合わせについてお話ししたいと思います。
非モテによる待ち合わせやらかし事例1~穴場とは?

吹きさらしの雑踏。
愛、欲望、渇望。
混沌(ケイオス)が渦巻くそんな大都会..................。
の隣町、東京都豊島区池袋。
そんな池袋ターミナル。

だから集合場所にはすごく困る。
ただでさえ人酔いのするこの池袋で会ったことも無い人を探すわけなのだから。
だけど当時の私は知っていました。
池袋で絶対に人間違えしなそうな改札口を。
JRメトロポリタン口
そんな都会な出口は、どうも認知度が低くあまり人が集まらず。
故に私は思ってました。
「穴場だ」と。
人が少ない、つまり認知度が低い。果たして成功するのか待ち合わせ。
それではお願いします!
JRメトロポリタン口で。
そんな流暢なメッセを投げた私が迎えた当日。
早くも改札外の壁に寄りかかりスマホを見つめる私。
何度もスマホを見る私はきっとこれからへの不安とほんの少しの期待で胸がいっぱいだったのでしょう。

少なくとも会えなくなる心配はない!
なぜなら安心安全のメトロポリタン口だから!
メトロポリタン口ならみんなの認知度が低く、人込みにはならない!
みんな知らないメトロポリタン口万歳。
改札外の壁に寄りかかりスマホを見つめる私。
ぱっと浮かぶは新着表示。
『メトロポリタン口ってどこですか?』
待ち合わせ場所、人が少なきゃいいものではなかった?
それからの出来事はあっという間だった。
地図を送っても返ってくる反応は分からず、迎えに行くから周りの場所を聞いてももはや後の祭り。
そう、人が少ない改札口は誰も知らないし、わかりにくいから人が少ないのだ。
穴場とは?
そんな問いかけに沈む非モテであった。
非モテによる待ち合わせやらかし事例2~オギノとは?
その時私は長野県に居ました。
田舎というのは駅の周りなんかより、高速のインター近くの方が色んなものがある。
故に待ち合わせ場所で車で拾ってもらうことになることは自然なことだった。
『それではオギノの駐車場で会いましょう』
これからデートだというのに地方展開の地域密着型スーパーマーケットの駐車場での待ち合わせという、もうどうしようもないくらい色気のない待ち合わせを提案するあたりは流石の非モテ。
だがこの男。非モテなのだ。

ホームセンターは素晴らしい。
工具を見ていると何となく自らの手足に充足感を感じるし、日用雑貨品というのは使いもしないのに素敵な生活を想像させる。
それに何よりも私の心を落ち着けるのはケージの中で愛嬌を振りまく愛玩動物だ。
待ち合わせ場所。似たもの注意!~金時計と銀時計やら沢山あるぞ!
ピロン
生ぬるい空気を切り裂いたのはよく聞くあの音。
『オギノつきました』
メールにあった、車の特徴を探す。
居ないのだ。
ばっくれ?
あり得ない。メールは通じるからだ。
「オギノにいますよね?」
『オギノの駐車場にいます!』
『花屋の近くです』
そんなものあったっけ?
その時、非モテに走るのは一筋の閃光。
そう、そういうことだ。
特徴通りの車がやってくる。
それまでの10分はいたたまれもしない、そんな時だった。
次回へ続く!